SNOW BOOK
¥2,500
雪への想いが詰まった
前田景初めての写真集。
北海道美瑛町一帯の冬の丘のさまざまな雪景色をとらえた前田景初の写真集。美瑛に移住してから過ごした三度の冬の雪景色を集めた一冊です。雪が見せるさまざまな色と表情から、厳しいけれど美しい北国の魅力を感じてください。
小ぶりな写真集なので冬の贈り物にもぜひ。
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編集・装丁:前田景
出版:拓真館
定価:2,500円(税込)
仕様:W148mm × H210mm/136ページ
製本:無線綴じ
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雪への初恋
2020年に東京から美瑛に移住してきてから、3度の冬を越えた。春夏秋の丘の田園風景も、もちろん魅力的ではあるけれど、僕は冬の雪景色にすっかりとりつかれてしまっている。いや、むしろ雪景色と出合うために移住してきたのではないかというくらい。無論、美しいだけではない雪国の大変さも嫌というほど体感している。降るたびに延々と続く除雪や雪道の運転、厳しい寒さは確かに暮らす上で大変だが、それさえもどこか楽しんでいる自分がいる。雪を、そして北の冬を知るために、必要なことだと。
まっ白な雪一面の「何もない風景」。しかし、雪の丘というキャンバスの上には無限の色が広がり、その下には、先人たちが苦労して開拓した畑が広がっている。自然と人間が長い時間をかけて一緒につくりだした壮大なアートを日々、間近に見られるのは雪の中で暮らす者だけの特権だろう。
雪景色への想いは、初恋にも似て色褪せない。いやたとえ色褪せたとしても、毎年初めての雪が降り、丘が真っ白に染まるたびに鮮やかによみがえる。その想いが−20℃以下にもなる丘の上に僕を立たせている。4度目の冬も、まだ見ぬ雪の色を求めて、夜明け前のキーンと張り詰めた空気の中、丘へと向かう。
前田景